財産分与でのオーバーローン時での自宅保有

 

 こんにちは!

 

 かがりび綜合法律事務所代表弁護士の野条です。

 さて、本日は、財産分与でのオーバーローン時での自宅保有についてです。

 

 財産分与で問題となるケースで、財産分与でのオーバーローン時での自宅保有問題があります。

 

 ◆離婚の解決事例

 

 

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 え!?いきなり難しい話と思われる方もいらっしゃるかと思いますので、具体的な事例を述べていきましょう。

 

 

 

 

【事例】

 夫がマンションを購入しました。現在の価格は2800万円、残ローンは3000万円あります。マンションの名義は夫名義です。この度、夫の浪費と性格の不一致により離婚することになりました。夫妻には中学生と小学生の子供がいますので、できればマンションから引っ越しは避けたいです。この場合に、マンションはどうしたらいいでしょうか?

 

 このような事例が一番わかりやすいかと思います。

 純粋な選択肢としては、以下の選択が出てきます。

1 自宅を売却して、家族全員引っ越す。

2 妻名義にして、妻と子供たちが住み続ける。

3 夫名義のまま、妻と子供たちが住み続ける(住宅ローン返済後に財産分与として所有権移転をする場合も含める)

 

 ただ、1の選択肢は、妻の要望であるマンションからの引っ越しは避けたいという希望が叶うことではないので省略します。ただ、現実的な方法としては2、3のデメリットもありますから、最終手段としては選択肢1は検討していく必要があるかと思います。特に本件では、1の選択肢はオーバーローンであれば意味がないですが、アンダーローンの場合には財産分与の対象になるわけですから売却して利益分を二等分することもあり得る選択肢です。特に子供さんが大きくなったりしているとあえてその家にこだわる必要がない案件もあります。このため、この選択肢は常に検討する場合もあるでしょう。

 

 

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それでは、選択肢2について見ていきます

選択肢2は一番奥さんの希望が叶うものと思われます。しかしながら、選択肢2は容易ではありません。その要因としては住宅ローンがあります。住宅ローンがある場合に所有権者の変更をする場合にはローン会社の同意が必要となりますが、まず同意は基本的にはないと考えて良いでしょう。銀行側からすると、このように所有者を変更した際にせっかくの担保が台無しになってしまう可能性があるからです。

選択肢2を実現していくためには、妻が住宅ローンを支払って、自分の名義にすることがまず考えられる枠組みになります。とは言え簡単なことではないです。一気に支払うためには、親族に力を借りるか、別のところで借り換えをするかどうかの問題になります。借り換えをするにしても、審査があり、妻がそれなりの収入になければ審査が通ることはなかなかないと思います。

このため、選択肢2は現実的に採用できる方はいないです。後述する選択肢3より選択肢2の方が妻にとってはリスクが少ないため、選択肢2を取れる方は選択肢2も検討してもいいでしょう。

 

 

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次に、選択肢3です。

選択肢3は現実的によくある手段です。

この選択肢を採用する場合には、以下のことを検討する必要があります。

◆夫が住宅ローンを返済するまでの期間、賃料はどうするのか、無償にするのか、有償にするのか

→大抵の場合には、無償にして使用貸借として妻と子供たちが住みつづけることにする、とすることが多いと思います。

◆住宅ローン支払った後は、家の名義はどうするのか、所有権を移転するのか、しないのか

という問題です。

 

選択肢3でもいいのではないかと思う方も多いと思いますので、選択肢3のリスクを説明しておきます。

◆選択肢3だと、マンションは夫名義なので、夫が勝手に売却したり債務整理をしてしまうと妻側は立ち退きを余儀なくされることもあり得る。

◆結局、夫名義の家に住んでいるので、夫と何かあった際には連絡を取り合わなければならない事態がある

 

ということです。いずれにしてもどれも一長一短だと思いますが、かがりび綜合法律事務所ではこのようなご相談をともに考えていくことも行っています。おこまりごとありましたら一度ご相談くださいますようお願いします。

 

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