こんにちは!
かがりび綜合法律事務所代表弁護士の野条です。
本日は、子の監護に関する処分として上記第三者と子との面会交流について 定める審判を申し立てることはできないとした判例について、紹介いたします。
判例では、まず、子の監護に関する処分として上記第三者と子との面会交流について 定める審判を申し立てることはできないとしましたが、以下のように述べています。
令和2年(許)第4号 子の監護に関する処分(面会交流)申立て却下審判に 対する抗告審の取消決定に対する許可抗告事件
(1) 民法766条1項前段は,父母が協議上の離婚をするときは,父又は母と 子との面会交流その他の子の監護について必要な事項は,父母が協議をして定める ものとしている。そして,これを受けて同条2項が「前項の協議が調わないとき, 又は協議をすることができないときは,家庭裁判所が,同項の事項を定める。」と 規定していることからすれば,同条2項は,同条1項の協議の主体である父母の申 立てにより,家庭裁判所が子の監護に関する事項を定めることを予定しているもの と解される。
他方,民法その他の法令において,事実上子を監護してきた第三者が,家庭裁判 所に上記事項を定めるよう申し立てることができる旨を定めた規定はなく,上記の 申立てについて,監護の事実をもって上記第三者を父母と同視することもできな い。なお,子の利益は,子の監護に関する事項を定めるに当たって最も優先して考 慮しなければならないものであるが(民法766条1項後段参照),このことは, 上記第三者に上記の申立てを許容する根拠となるものではない。
以上によれば,民法766条の適用又は類推適用により,上記第三者が上記の申 立てをすることができると解することはできず,他にそのように解すべき法令上の 根拠も存しない。
したがって,父母以外の第三者は,事実上子を監護してきた者であっても,家庭 裁判所に対し,子の監護に関する処分として上記第三者と子との面会交流について 定める審判を申し立てることはできないと解するのが相当である。
個人的には、条文に忠実ですがケースバイケースの運用もありなのかなと思うところです。面会交流や親権については、様々な家庭環境や背景事情があります。お困りの方は一度かがりび綜合法律事務所までご相談くださいますようお願いします。