不貞慰謝料の算定要素について その2

 こんにちは!

 


 かがりび綜合法律事務所代表弁護士の野条です!


 本日は、ネット上で挙げられている、不貞慰謝料の算定要素について私見をつらつらと述べていきたいと思います!あくまでも私見なのでご参考までして頂ければと思います!!

 

 


・離婚が成立しているかどうか


 さて、これは要素として重要。重要というより1番客観的にも分かりやすく算定基準として必要不可欠でしょう。すなわち、裁判例を見ても、本件不貞により婚姻関係が破壊された度合を表すものとして検討されます。離婚していれば慰謝料は高くなる、離婚していなくても別居していれば高くなる傾向に、そうでなければ比較的に高額にならないことになります。


ここで、検討を要するのは、離婚は「まだ」していなくても、「将来」するかもしれない、もしくは「まだ」していないが子供さんもいることもあり「できず」に辛い状況にある、という場合です。


これは実は悩ましい問題なんです。と言いますのも離婚はしていないのでこの要素を重視していくと比較的に慰謝料は高額にはなりません。だけども、不貞が原因で辛い状況を余儀なくされているということです。


これは本当に請求する側からすると悩ましいですね...


請求する側としては勿論他の要素を駆使して毅然と主張していく必要があるのですが、この論点をどうするのかに本件ではスポットライトをあてたいと思います。


ここで幾つか裁判例もあるのですが、ポイントは離婚に向けられた具体的言動があるのか、ということです。つまり、別居が婚姻関係の破壊度合が高いというのは、離婚に向けられた具体的かつ合理的なわかりやすい行動なのですが、それ向けられている、あるいはそれに準ずる言動があるのか、ということになります。


なかなかわかりにくいお話かもしれませんが、例えば離婚調停を申立てた、なんかは離婚に向けられた現実的な行動がとられていますよね?これって、客観的にも婚姻関係が悪化しているということがよくわかりますよね。


もっと身近な例でいきましょうかね。


例えばですが、夫婦喧嘩で離婚届を書く、書かないの話をした、それ同様の内容で喧嘩するに至った、もっといえば、これまで円満だったのに不貞以降、そうでなくなり夫婦生活は危機に瀕している、こういうのも一つの内容だと思います。


こういう具体的事情をどこまで述べていくのか、これが凄く重要だなとおもっています。


・不貞期間が長いから否か


 次に、不貞期間が長いかどうか。これも重要な事実です。回数もしかりですが、長ければそれだけ侵害度合が強くなりますので、程度にも影響してきます。
 ここで、長いというのはどのくらい長いかというところですよね。一般的には2年程度になれば長いといわれますが、これについては実は短いから権利侵害の度合いが低いとはならないかなと。結局は婚姻関係がどの程度破壊されているのかということにもよりますよね!


・婚姻期間が長いかどうかについて


婚姻期間の長短は慰謝料の算定要素とされ、長ければ夫婦の平穏を侵害したと判断されやすくなり、短い場合には築き上げた平和の安定度合いも低くなることもあり、慰謝料が高額になりにくいところがあります。このため、どの程度であるかが問題なるケースはあります。いわゆる長いとされるケースは、東京地方裁判所平成24年3月29日事例では、約15年の婚姻期間をもって長期間としており、原告の精神的苦痛を受けたことは想像に難くないと述べています。ただ、婚姻期間が短いからといって直ちに慰謝料が減額されるわけではないでしょう。そうするに夫婦の築き上げた平穏をどこまで侵害したのかという具体的な事情が重要になります。

 

 

他にも、未成熟児童の存在、婚姻関係が破綻をしていないかどうかについてお話しようと思いましたが、時間の制約上一旦ここまでです!^_^

 

f:id:kagaribi-kotsujiko:20201231153557j:image
f:id:kagaribi-kotsujiko:20201231153536j:image
f:id:kagaribi-kotsujiko:20201231153543j:image
f:id:kagaribi-kotsujiko:20201231153552j:image
f:id:kagaribi-kotsujiko:20201231153548j:image