慰謝料の考慮要素について

 

こんにちは!

 

かがりび綜合法律事務所代表弁護士の野条です!

 

本日は、慰謝料の考慮要素として、「家庭内の平和から見る婚姻期間の長短と婚姻関係の円満」についてお話しいたします!

 

まず、これまで慰謝料の考慮要素や解決事例について、お話させていただいてきました!

多くの方からご相談いただき本当にありがたい限りです^^

 

1 結局は、「家庭内の平和」をどこまで侵害したと言えるか

 

多くの事案では、不貞慰謝料の考慮要素として、婚姻期間の長短や婚姻関係の円満を挙げています。

これは、つながっているところがあり、夫婦で築き上げた家庭内の平和をどこまで侵害したと言えるのかにつながっています。

実際に裁判所もこの辺りは考慮していると思いますので、以下でお話しさせていただければと思います!

 

2 婚姻期間について

 一般的に、婚姻期間が長い場合に、不貞慰謝料が増額される傾向にあります。

 短いから慰謝料が減額されるという発想は当職は違うのではないかと思っていますが、(その理由は、婚姻期間が短くても不貞された精神的苦痛はそれなりにあり、婚姻期間が長い方と同じくらい苦痛を伴うこともあるからです)裁判実務では一定この発想があります。

 

 それは、どうしてでしょうか?

 

 一つ考えられるのは、家庭内の平和という利益が、婚姻期間が長い方が夫婦で築き上げたものが大きくなるということです。

 当職の面談を受けてもらった方にはよく理解していただけるかと思いますが、例えば、夫婦の絆をハートマークで示したならば、このハートマークが婚姻期間が長い方がそのハートマークは大きくて、大きいものを壊すとそれなりに損害が発生されると考えられるのではないかという発想に立っていると思います。

 

 

 

f:id:kagaribi-kotsujiko:20210606120210j:image

 

◆平成30年7月12日大阪高裁決定(判時2407号27頁)

こんにちは!

 

かがりび綜合法律事務所代表弁護士の野条です!

 

◆平成30年7月12日大阪高裁決定(判時2407号27頁)を紹介します。



主   文
一 原審判を次のとおり変更する。
二 相手方は、抗告人に対し、49万円を支払え。
三 相手方は、抗告人に対し、平成30年7月から当事者双方の別居解消又は離婚成立まで、毎月末日限り、月額13万円を支払え。
四 手続費用は、原審及び当審ともに各自の負担とする。

理   由
第一 抗告の趣旨及び理由
 別紙一ないし七《略》のとおり

第二 当裁判所の判断
一 当裁判所は、原審判を上記のとおり変更するのが相当であると判断する。その理由は、次のとおり補正するほかは、原審判の「理由」欄に説示のとおりであるから、これを引用する。
(1)原審判1頁21行目の「夫婦である」の次に「(婚姻時抗告人××歳、相手方××歳)」を加える。

(2)同1頁23行目から末行までを次のとおり改める。
 「(2)相手方は、一部上場企業を定年退職後、平成22年××月××日、前妻と離婚し、同年××月××日、中古建設機械の販売、輸出等を業とする株式会社A(以下「A」という。)を設立し、現在も同社を経営している。Aの本店は、相手方の肩書住所地《略》にあり、同社の役員は相手方一人である。
 相手方の平成29年のAからの役員報酬は504万円(月額42万円)であり、Aからの配当金は200万円であったが、これらがAからいかなる名目で支払われるのかは、後記(3)のAから抗告人に対する給与(月額8万円)と同様、税理士と相談の上されたものである。相手方は、平成29年分の確定申告書を提出するように当裁判所から求められても(平成30年5月21日付け事務連絡)、これを提出せず、抗告人が相手方の課税証明書を取得できなくしたため、相手方の平成29年の収入状況や不動産所得の経費等は明らかになっていない。

 他方、課税証明書によると、相手方の平成28年と平成27年の収入は、本決定別表《略》のとおりである。平成28年は、給与収入1128万円、公的年金128万8634円、配当所得180万円、不動産所得20万0847円、長期一般譲渡益176万5500円であり、平成27年は、給与収入1440万円、公的年金128万5063円であった。」

(3)同2頁1行目の「申立人は、」の次に「短大を卒業し、保育士、幼稚園教諭の資格を取得し、公務員の臨時職員の職歴を有している。抗告人は、相手方との」を加える。

(4)同6行目から7行目までを次のとおり改める。
 「抗告人は、平成30年1月××日からパートとして稼働しており、同年4月の給与は約5万円(勤務日数12日)、同年5月の給与は約8万円(勤務日数13日)であった。
(4)相手方は、抗告人と同居中には、前記(3)のAからの給与月額8万円のほか、生活費月額7万円を渡し(合計15万円)、婚姻5か月後(平成28年3月)から平成29年6月までは、生活費を10万円に増額した(合計18万円)。しかし、相手方は、同年7月には、生活費を渡さず、同年8月と9月には、生活費各5万円しか渡さなかった上、前記(3)のとおり、同月30日付けで抗告人をAから退職させた。」

(5)同2頁8行目の「(4)」を「(5)」に改める。

(6)同2頁10行目の末尾に改行して次のとおり加える。
 「(6)相手方は、前記(3)のとおり、抗告人に対し、平成29年10月から平成30年1月までの4か月間、月額8万円の婚姻費用を支払った(合計32万円)。
 相手方は、抗告人に対し、婚姻費用として、平成30年2月××日に8万円、同年3月××日に6万5000円を支払い、同月から同年5月までの3か月間、各月8万5000円を支払った。この合計は、40万円である(8万円+6万5000円+8万5000円×3か月)。
 そうすると、相手方が平成29年10月以降抗告人に支払った婚姻費用は72万円である。

(7)同2頁20行目の「そして、」から23行目末尾までを「したがって、上記期間については、標準的算定表に当てはめる抗告人の収入は0円とするのが相当である。他方、抗告人は、短大を卒業し、保育士等の資格を有し、相手方との婚姻前には公務員の臨時職員として稼働したこともあった。このような抗告人の資格や稼働歴に加え、抗告人が平成30年1月25日以降、パートとして稼働しており、収入は一定しないものの月額8万円を得たこともあることや抗告人の年齢(××歳)を併せ考慮して、平成30年2月以降の抗告人の収入については、年収100万円程度の給与収入と認めるのが相当である。」に改める。

(8)同2頁24行目の冒頭に「(3)ア」を、25行目から末行にかけての「報酬」の次に「あるいは給与収入」をそれぞれ加え、同3頁2行目の「申立人に対する報酬も」を「抗告人に対する給与収入も、自身の世帯に帰属する収入として」に、3行目の「総収入」を「給与収入」にそれぞれ改める。

(9)同3頁4行目から22行目までを次のとおり改める。
 「イ また、相手方は、平成29年8月には、Aからの株式配当として200万円を得ている。これは、税理士と相談の上、相手方への配当金の名目で支払われたものにすぎないのであるから(引用の上補正した原審判一(2))、婚姻費用分担額の算定に当たっては、相手方に対する給与収入と同視し得るとみるべきである。

ウ さらに、相手方は、配当金以外に、平成27年と平成28年に、公的年金として各年約128万円を受け取っていたから、平成29年以降も同程度の公的年金を受給しているとみることができる。年金収入は、職業費を必要としておらず、職業費の割合は、給与収入(総収入)の2割程度であるから、上記年金収入を給与収入に換算した額は、上記年金額を0・8で除した160万円となる(128万円÷0・8)。
 加えて、相手方は、平成28年に不動産所得約20万円を得ており、これを標準的算定表の給与収入に換算すると25万円程度となる。

エ 以上によれば、標準的算定表に当てはめる相手方の収入は給与収入985万円となる。
(計算式 600万円+200万円+160万円+25万円)

(4)上記のとおりの双方の収入を標準的算定表の表10(婚姻費用・夫婦のみの表)に当てはめると、平成29年10月から平成30年1月までは、「14~16万円」の枠の下辺りとなるので月額14万円とし、同年2月以降は、「12~14万円」の枠の中辺りとなるから、月額13万円とするのが相当である。

(5)相手方は、相手方の配当金や不動産所得に関し、「抗告人との婚姻前から得ていた特有財産から生じた法定果実であり、共有財産ではない」から、婚姻費用分担額を定めるに当たって基礎とすべき相手方の収入を役員報酬に限るべきである旨主張する。

 しかし、相手方の特有財産からの収入であっても、これが双方の婚姻中の生活費の原資となっているのであれば、婚姻費用分担額の算定に当たって基礎とすべき収入とみるべきである。
 そして、相手方は、婚姻後、抗告人に対し、Aからの給与(月額8万円)のほか、更に、生活費として7万円を渡し(合計15万円)、その5か月後から別居3か月前までの1年4か月間、生活費を月額10万円に増額した(同18万円)。相手方が抗告人において食費(月2万円ないし3万円)の残りを使ったと述べていることからすると(相手方の平成30年1月31日付け陳述書1項(2))、同居中、月額約15万円が抗告人において費消し得た金額であったことになるが、この金額は、前記(4)の算定額に近似している。
 そうすると,同居中の双方の生活費の原資が相手方の役員報酬に限られていたとみることはできず、婚姻費用分担額の算定に当たって基礎とすべき相手方の収入を役員報酬に限るのは相当ではない。相手方の上記主張は採用できない。

(6)そうすると、平成29年10月から平成30年6月までの婚姻費用の合計額は、平成29年10月から平成30年1月までの4か月分の月額14万円の合計56万円(14万円×4か月)と同年2月から同年6月までの5か月間の月額13万円の合計65万円(13万円×5か月)を合わせた121万円となる。
 ここから、既払金72万円(引用の上補正した原審判一(6))を控除した金額は、49万円となる。

 三 したがって、相手方は、抗告人に対し、平成30年6月までの未払いの婚姻費用49万円を即時に支払うとともに、平成30年7月以降当事者双方の別居解消又は離婚成立まで月額13万円を支払う義務を負う。」

二 よって、上記判断に抵触する限度で原審判を変更することとし、主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 松田亨 裁判官 上田日出子 高橋綾子)

別紙 1~7《略》
別表《略》

 

f:id:kagaribi-kotsujiko:20210103163512j:image

婚姻関係の破綻の抗弁

 こんにちは!


 大阪のかがりび綜合法律事務所代表弁護士の野条です。


 本日は私見になりますが、婚姻関係の破綻の抗弁についてお話いたします!これは私見というか最近の感覚です!


1  婚姻関係破綻の抗弁(反論)はなかなか認められない傾向なのかなと。


 率直に申し上げると、なかなか裁判所は婚姻関係破綻の抗弁を認めない傾向にあります。判例でも別居している事例でも別居期間が短い場合や一方だけが離婚意思を示していても破綻までは認めないケースもあります。他方で、ほかの裁判例でもありますが、別居期間が長く、ほかの事情と相まって破綻しているケースや離婚の進み具合、程度、成熟性などから破綻していると認定しているものもあります。


2  裁判所は落とし所を探すことがあります。
 とはいえ、言い方わるいですが裁判所は落とし所を探すことがあります。
 婚姻関係が破綻することの立証責任は不倫の相手方にあり、容易に破綻まで認められないケースがあること、破綻まで認めてしまうと0か100かの理論になってしまい、落とし所が見出せないことから、裁判所は破綻までは認められないですが、夫婦関係が悪化していたこと、や相当冷却していたこと、夫婦関係の円満さを欠けていることなどを理由に、不倫の相手方に対する慰謝料の減額要素とみて、お互い落とし所を探るようにいうこともあります。お互いとことん争う場合は、最終的にはいくところまでいってしまいます。
 このあたりは依頼者さんの意向なども弁護士が調整していき、解決どころも見出すのも弁護士の役割だと思っています。


 ケースバイケースのことはありますが、お困りの方は一度ご相談ください!  

 

f:id:kagaribi-kotsujiko:20201231115107j:image
f:id:kagaribi-kotsujiko:20201231115114j:image
f:id:kagaribi-kotsujiko:20201231115110j:image

不倫の相手方に慰謝料請求するとき悩まないで。

こんにちは!

 

かがりび綜合法律事務所代表弁護士の野条です。

 

不倫の相手方に慰謝料請求するときに一人でかかえこんでいないですか。

 

 

不倫の相手方への慰謝料請求とお考えのときに、離婚する場合に請求するもの、と思われている方もいるかもしれません。

 

ただ、必ずしも離婚しないといけないものではないです。不倫の相手方との関係と自分のパートナー(妻、夫)と見直すことも重要です。このような不倫の問題はときには様々なことを幾つも同時に考えることになるかと思います。


その際は、遠慮なく弁護士に相談されてみてはいかがでしょうか。幾つもの問題を一つずつ論点整理していくことによりクリアになります。これだけでも弁護士に相談する価値はあるかと思います。一度弊所の不倫問題の初回無料相談制度を利用してみてください。

 

f:id:kagaribi-kotsujiko:20210603194327j:image
f:id:kagaribi-kotsujiko:20210603194330j:image

カウンセラー資格を有する弁護士が在籍しています!

当事務所・井上めぐみ弁護士は認定心理士や夫婦カウンセラー・家族療法カウンセラーなどの資格を有しています。お悩みをしっかりとお聞きしたうえで、依頼者様にとってベストな解決となるよう、背中を押し、力強くサポートいたします。

男性・女性ともに依頼を受けることが多く、「心強い」「安心してお任せできました」というお声も多数寄せられています。

夫婦カウンセラーは「夫婦問題を円満かつスムーズに解決へと導くために、第三者の立場で夫婦問題を分析し、良い方向へ導き、相談者のこれからの人生をより輝かせるサポートを行うこと」、家族療法カウンセラーは「家族の変化に柔軟に対応し、その家族にあったサポートを行うこと」を目的とした資格です。

弁護士への相談は勇気が要ることでしょう。勇気を振り絞って相談される離婚問題は泥沼化しやすく、依頼者様が冷静に判断できないケースもあります。

離婚問題の最適な解決策は「その人が何を求めるか」で変わります。まずは依頼者様の気持ちを整理し、「依頼者様がどうしたいのか」をお話しいただくことが重要です。井上弁護士は様々なカウンセリング手法を用いて「どうしたいのか」を引き出します。

 

面会交流について

こんにちは!


かがりび綜合法律事務所代表弁護士の野条です!


面会交流について悩まれている方は実は多いのです。面会交流のルールは守らなければならないことから、ルール作りはだからこそ慎重になければならないですね!面会交流の作戦は結構深いんです...


面会交流については法務省のページで次のように言われています!


面会交流に応じなければならないのですか。
(A)
 面会交流は,子どものためのものであり,面会交流の取り決めをする際には,子どもの気持ち,日常生活のスケジュール,生活リズムを尊重するなど,子どもの利益を最も優先して考慮しなければなりません。
 面会交流を円滑に行い,子どもがどちらの親からも愛されていることを実感し,それぞれと温かく,信頼できる親子関係を築いていくためには,父母それぞれの理解と協力が必要です。夫婦としては離婚(別居)することになったとしても,子どもにとっては,どちらも,かけがえのない父であり母であることに変わりはありませんから,夫と妻という関係から子どもの父と母という立場に気持ちを切り替え,親として子どものために協力していくことが必要です。
 なお,相手から身体的・精神的暴力等の被害を受けるおそれがあるなど,面会交流をすることが子どもの最善の利益に反する場合には,以上の点は当てはまりません。

 

離婚前での面会交流にお困りの方はかがりび綜合法律事務所までご相談ください。

 

f:id:kagaribi-kotsujiko:20210529193638j:image

男女問題 弁護士選び その5

こんにちは!

 

かがりび綜合法律事務所代表弁護士の野条です。今回は、男女問題の弁護士選びその5です。

 

前回、このようにお話させていただきました!

 

 

さて、5つのポイントはこのテーマで話していこうと思います。

 

1  話しやすい弁護士さんであること

2  弁護士費用について理解ができること

3  フットワークが軽い弁護士さんであること

4  弁護士の意欲、解決への熱意

5  直感を信じること

 

さて、本日は5 直感を信じること、というテーマです。今回は最終回ですが、最後の最後にスピチュアル的になります!笑

 

 さて、5直感を信じることなのですが、話をしてみていいなっと思うことが、その後合理的な理由なく良くないの評価に変わることはあまりないです。

 

 こればかりは、何ともいいようがないですね笑

 

 一度、かがりび綜合法律事務所までご必要でしたらご相談ください!

 

f:id:kagaribi-kotsujiko:20210103165452j:image
f:id:kagaribi-kotsujiko:20210103165442j:image
f:id:kagaribi-kotsujiko:20210103165447j:image
f:id:kagaribi-kotsujiko:20210103165437j:image
f:id:kagaribi-kotsujiko:20210103165426j:image
f:id:kagaribi-kotsujiko:20210103165434j:image
f:id:kagaribi-kotsujiko:20210103165430j:image